塗装工事・防水工事の豆知識

豆知識の詳細

塗装できない屋根材!?屋根塗装をオススメできない屋根材とその対処法を詳しく解説!

2024年07月09日

屋根塗装は建物の美観を保ち、寿命を延ばすために重要です。

しかし、すべての屋根材が塗装に適しているわけではありません。

適さない屋根材に塗装を施すと、劣化を早めたり、無駄な費用がかかることがあります。

今回は、塗装ができない屋根材とその対処法について詳しく解説します。
 

塗装ができない屋根材について

 

ノンアスベスト製品

ノンアスベスト製品が登場した背景には、アスベストの健康被害があります。

アスベストは、耐久性や耐火性に優れた建材として広く使用されていましたが、その微細な繊維が肺に入り込み、肺がんや中皮腫といった重篤な疾患を引き起こすことが判明しました。

日本では、2006年にアスベストの使用が全面禁止されました。

アスベストに代わる素材としてノンアスベスト製品が開発されましたが、これらの製品にも問題点があります。
 

ノンアスベスト製品の問題点

素材の脆弱性:ノンアスベスト製品は、アスベスト繊維の代わりに使用される合成繊維や植物繊維が経年劣化しやすく、塗装の持続性に欠けます。

水分吸収率の高さ:これらの製品は水分を吸収しやすく、湿気による膨張や収縮が繰り返されるため、塗膜が割れやすくなります。

接着性の低さ:表面が滑らかで塗料の接着性が低いため、塗装しても剥がれやすいです。
 

塗装が難しい屋根材7選

以下に、塗装が難しい屋根材を紹介します。それぞれの特徴と問題点を見ていきましょう。
 

パミール(株式会社クボタ)

パミールは、クボタ社が製造・販売していた住宅用スレート屋根材の一種で、特に1996年から2008年にかけて多く使用されました。

しかし、パミールは時間とともに層状に剥離することが多く、塗装してもすぐに剥がれてしまいます。

この剥離現象は「パミール剥離」と呼ばれ、主に以下の問題を引き起こします

剥離による美観の損失:表面が剥がれてくるため、美観が著しく損なわれます。

防水性能の低下:剥離した部分から水分が浸入しやすくなり、屋根内部の腐食を招くことがあります。
 
パミールの劣化
 

レサス(株式会社ニチハ)

レサスは、ニチハ社が製造・販売していた合成樹脂を基材とした屋根材で、1990年代から2000年代初頭にかけて使用されました。

滑らかな表面が特徴ですが、この滑らかさが塗料の密着性を低下させ、塗装が困難です。

また、経年劣化によりひび割れや欠損が生じやすく、以下のような問題が発生します

塗料の密着不良:塗装しても短期間で剥がれてしまうため、再塗装の頻度が高くなります。

ひび割れの進行:ひび割れが進行すると、屋根材自体の強度が低下します。
 
レサス
 

シルバス(株式会社ケイミュー)

シルバスは、ケイミュー社が製造・販売するシリコン樹脂を基材とする屋根材で、1995年から2005年にかけて使用されました。

耐候性に優れているとされますが、実際には脆さが問題となります。

特に、以下の点が問題です

脆さ:塗装しても塗膜が剥がれやすく、長持ちしません。

紫外線劣化:紫外線に弱く、経年劣化が早いため、頻繁なメンテナンスが必要です。
 
シルバス
 

コロニアルNEO(株式会社ケイミュー)

コロニアルNEOは、ケイミュー社が製造・販売する住宅用スレート屋根材の一種で、1990年代から2000年代にかけて使用されました。

塗膜剥離や素材の劣化が激しいため、塗装による補修が難しいです。

主な問題点は以下の通りです

塗膜剥離:既存の塗膜が剥がれやすく、新たに塗装しても短期間で再度剥離する可能性があります。

素材の劣化:素材自体が脆くなりやすく、塗装による補修が効果を発揮しにくいです。
 
コロニアル屋根
 

アーバニー(株式会社ニチハ)

アーバニーは、ニチハ社が製造・販売する軽量で施工しやすい屋根材として人気があり、1990年代から2000年代初頭にかけて使用されましたが、現在は販売されていません。

以下の点が問題となります:

表面の劣化:紫外線や風雨による表面劣化が進行すると、塗料の密着性が低下します。

ひび割れや欠損:特に寒冷地では、温度変化によるひび割れや欠損が生じやすくなります。
 
アーバニー
 

ザルフ(株式会社ケイミュー)

ザルフは、ケイミュー社が製造・販売する耐久性に優れるとされる屋根材ですが、1995年から2010年にかけて使用され、現在は販売されていません。

以下の問題点があります

下地の傷み:下地が傷んでいると、塗装しても長持ちしません。

特に湿気が多い地域では、腐食が進行しやすいです。

塗膜の剥離:塗膜が剥がれやすく、再塗装の頻度が高くなります。
 
ザルフ
 

U瓦(積水屋根システム株式会社)

U瓦は、積水屋根システム株式会社が製造・販売する伝統的な瓦屋根の代替として使用されることが多く、1970年代から2000年代初頭にかけて使用されましたが、現在は販売されていません。

以下の問題点があります

脆さ:非常に脆いため、塗装してもひび割れや欠損が生じやすいです。

欠損の進行:欠損が進行すると、屋根全体の強度が低下し、防水性能も低下します。
 

塗装が注意すべき劣化状態

塗装が難しい劣化状態には、ひび割れや欠損、塗膜剥離、下地の傷みなどがあります。

それぞれの状態について詳しく見ていきましょう。
 

ひび割れ・欠損

ひび割れや欠損が生じている場合、塗装してもすぐに再び劣化が進む可能性があります。

特に大きなひび割れや欠損がある場合、塗装よりも大掛かりな補修が必要です。

ひび割れは、以下の理由で問題となります

水分の侵入:ひび割れから水分が侵入し、屋根内部の腐食やカビの発生を招くことがあります。

熱膨張:日中の熱膨張と夜間の収縮により、ひび割れが広がることがあります。
 
屋根のひび割れ
 

塗膜剥離

塗膜が剥がれている場合、新たに塗装しても密着性が低く、短期間で再び剥がれてしまいます。

塗膜剥離の主な原因は以下の通りです

下地の劣化:下地が劣化していると、塗膜の接着が弱くなります。

湿気:湿気が高い環境では、塗膜が剥がれやすくなります。
 

下地の傷み

下地が傷んでいると、塗装の効果が期待できません。

下地の補修が必要な場合があります。

下地の傷みが進行すると、以下の問題が発生します

塗膜の密着不良:下地が不安定な状態では、塗膜がしっかりと密着しません。

屋根全体の強度低下:下地の腐食やカビの発生により、屋根全体の強度が低下します。
 

塗装が難しい屋根の対処法

塗装が難しい屋根材や劣化状態に対する対処法として、カバー工法と葺き替えがあります。
 

カバー工法

カバー工法は、既存の屋根材の上に新しい屋根材をかぶせる方法です。

これにより、既存の屋根材の問題を解決しつつ、新しい屋根材のメリットを享受できます。

カバー工法のメリットは以下の通りです

工期が短い:既存の屋根材を撤去する必要がないため、工期が短くなります。

費用が抑えられる:撤去費用がかからないため、費用を抑えることができます。
 
カバー工法
 

葺き替え

葺き替えは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材を設置する方法です。

最も確実な方法であり、長期的な視点で見ても効果的です。

葺き替えのメリットは以下の通りです

完全なリフレッシュ:古い屋根材を完全に取り除くため、新しい屋根材で完全にリフレッシュできます。

耐久性の向上:最新の屋根材を使用することで、耐久性が向上します。
 

まとめ

屋根塗装は、建物の保護と美観を保つために重要ですが、塗装が適さない屋根材や劣化状態もあります。

塗装が難しい場合は、カバー工法や葺き替えなどの対処法を検討することが重要です。

関西リペイントでは、お客様の屋根の状態に合わせた最適な解決策をご提案いたします。

ショールームでの相談も受け付けておりますので、ぜひお越しください。
 

外壁塗装専門店 関西リペイントへのお問合せはこちら

 

もどる

  • 1ページでわかる!創業55年以上続く関西リペイント株式会社
  • 創業55年以上を誇る当社は、長年にわたる塗装業界での卓越した技術とサービスにより、多くの受賞歴や資格を有しております。塗装メーカー「関西ペイント」によるリフォームサミットでは、高い施工技術への向上とお客様への満足度の向上に尽力しているとして「プラチナ会員」に登録されております。また、「屋根ビジネスAWARD2023」において、全国セールス大賞3位を受賞いたしました。

カベナビJAPAN

なぜ関西リペイントが選ばれ続けるのか?選ばれ続ける理由はこちら